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OECD局長就学前教育・保育の公的支出増勧告

掲載日:2010年6月11日

経済協力開発機構(OECD)のイッシンガー教育局長が10日、東京で記者会見し、質の高い就学前教育と保育に対する公的支出を増やすことと、幼稚園と保育園の一元化を日本政府に勧告したことを明らかにした。

OECDは昨年9月に公表した報告書で、日本の教育支出における私費負担がOECD加盟国中、韓国に次いで高く、特に就学前教育(幼稚園など小学校入学前の家庭外機関による教育)と高等教育(大学・大学院・短期大学・高等専門学校など)で、公財政支出が少ない実態を指摘している。

イッシンガー局長は、同じ額の教育投資をするなら幼児期の方が大人になってからよりも大きな効果があることや、好奇心、創造力、チームワーク、批判的思考力などの養成に幼児教育が非常に大事なことを強調した。多くのOECD諸国が現金支給政策は2歳以下の子どもに適用している実態などを挙げ、「子ども手当」については、保育・幼児教育サービスという現物支給と現金支給のバランスを考えることの重要性を指摘した。

また、ドイツの例を引いて、子ども手当として現金支給することが女性の就業率向上にマイナスの影響を与える心配があることも指摘した。

幼稚園と保育園は、文部科学省、厚生労働省と所管が異なることもあって日本では一元化が進んでいないのが実態。イッシンガー局長は、幼保一元化が質の高い就学前教育にも効果があることを指摘するとともに、幼児教育政策を日本政府が新成長戦略に位置づけることも奨励した。

記者会見に同席した田熊美保・OECD教育局プロジェクトマネージャーは、幼保一元化を進める現実的方法の一つとして、幼稚園の教諭が保育所で、保育所の保育士が幼稚園で働く交流を実施し、幼稚園で働いた保育士にはさらに小学校教諭の道も開くような対応から始めることで現場に幼保一元化へのインセンティブを持たせる案を紹介した。

イッシンガー局長によると、就学前5歳児の保育・幼児教育サービスに対する公的支出の割合は、フランス33%、フィンランド30%などに比べ日本は非常に低く7%にすぎない。その分、家計の負担が重くなっている。

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