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東海、東南海地震で首都圏も長周期震動の影響大

2009年9月18日

高層ビルなどへの被害が心配されている長周期の地震動による影響が、想定されている東海地震、東南海地震、宮城県沖地震でどの程度になるかを予測した地図を、政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会が17日公表した。

それによると長周期の地震動の影響はそれぞれの震源に近い地域だけでなく、遠方にも及ぶことがあらためてはっきりした。東海地震の場合は、関東平野や濃尾平野、大阪平野など震源から離れた平野部で揺れが大きくなることが分かった。

長い周期の波は短い周期の波に比べて減衰しにくく、震源から遠い地域まであまり弱くならずに伝わって来る性格を持つ。最近では2003年9月26日の十勝沖地震(マグニチュード8.0)の際に、震源から約250キロ離れた苫小牧市内で石油タンク火災を起こした原因の一つになったと見られている。

周期がどれだけのものを長周期振動と言うかについてはいくつかの考え方があるが、地震調査委員会はとりあえず周期が3.5 秒以上の地震動について計算を行い、周期5 秒、7 秒、10 秒を中心に地震動予測地図を作成した。地下構造の違いにより影響にも差が見られ、東海地震のケースでは、濃尾平野では特に周期5秒、関東平野では7秒、10秒の揺れが大きくなることが分かった。

東南海地震の場合は、濃尾平野、大阪平野では周期5秒の揺れが大きく、静岡県の太平洋に面した地域はどの周期に対しても大きな影響を受け、特に周期10秒になると濃尾平野、大阪平野より大きな揺れが予測された。周期10秒では濃尾平野、大阪平野より関東平野の揺れの方が大きく、東南海地震に対しても首都圏は安心していられない、という結果になっている。

一般的な高層建物で揺れやすい周期(固有周期)は2-3 秒と言われている。地震調査委員会は、将来は周期2-3 秒の長周期地震動予測地図の作成も検討する。

速度応答スペクトル(周期7秒と周期10秒)の分布
図. 東海地震時の長周期地震動(左:周期7秒、右:周期10秒 速度応答スペクトル)予測図
(提供:地震調査研究推進本部地震調査委員会)
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