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新型インフルエンザで透析患者死亡

2009.08.16

 厚生労働省は15日、沖縄県中部保険所管内に住む50歳代の男性患者が新型インフルエンザに感染して死亡した、と発表した。患者は心疾患の治療歴があり、さらに慢性腎不全のため透析治療を受けていた。

 新型インフルエンザの健康な人に対する病原性(毒性)は季節性インフルエンザと同程度だが、ほとんどの人が免疫性をもたないことから感染性は高く、特に妊婦や基礎疾患をもつ人が感染した場合、重症になる恐れが指摘されていた。

 国内でもその恐れが顕在化したことになり、沖縄県は県民に対し、喘息(ぜんそく)、心疾患、腎疾患、糖尿病などの基礎疾患のある人や、乳幼児、妊婦では時に重症化することを注意喚起するとともに、風邪症状のある人は、水分、栄養摂取に気をつけ、外出を控え安静にし、外出時、特に医療機関受診の際には必ずマスクを着用するよう呼びかけている。

 沖縄県によると、患者は、9日午後からのどの痛みとせきの症状が出た。10日の透析時に37度台の熱も出、簡易検査したところA型インフルエンザ陰性だったため解熱剤を処方した。12日の透析中に熱が39度に上がり、簡易検査でA型陽性と分かり、透析後にタミフルを投与、同日夕、別の医療機関で診察を受けたところ、筋肉痛や呼吸苦が認められたため入院した。14日未明に意識レベルが低下、15日未明に心停止となり、同日早朝亡くなった。

 沖縄県では5月18日の週にインフルエンザ発生数が注意報の基準に達した後、いったん報告数が減少していた。しかし、7月27日の週に再び基準を超えたことから8月6日に流行注意報を発令していた。A型が多く、A型インフルエンザと診断された患者の95%は新型インフルエンザであることが分かっている。

 舛添要一厚生労働相は15日、新型インフルエンザが今後いつ全国的かつ大規模な患者増加を見てもおかしくない状況であることに注意を促すとともに、手洗い、うがいなどの徹底や、発熱などの症状がある場合に、あらかじめ連絡した上で医療機関を受診すること、さらにマスクの着用や人混みへの不要不急の外出を控えるなどの対応を国民全体に要請するコメントを発表した。

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