6日の読売新聞夕刊「PopStyle」面に、「YAHOO!検索 時事ワードランキング 2006.8.28〜9.3」という表が載っている。末尾の説明によると「『Yahoo!Japan』が『時事用語』と規定した単語で、その言葉や類語・関連語が前週と比較してどれだけ検索数が増えたか(上昇率)を基にはじき出したランキング」ということだ。
「世界的モデルコンテストの日本大会でグランプリになった」という女子中学生の名前が1位にランクされているのをはじめ、ベスト10のうち半数は、女性の個人名だ。このうち3人は事件や病気で亡くなった不幸な方たちである。
この辺は、さもありなんと感じる人が多いかもしれない。しかし「震災危険度ランク」と「地震速報」という"硬派"の「時事用語」が4位と6位に入っていることについては、どう感じるだろうか。
ベスト10にランクされた「時事用語」にはそれぞれ、このランキングの編集者が書いたと思われる短い説明文がついている。
「震災危険度ランク」については「震災時の危険性を予測した都の『危険度ランク』に、都民の約8割が『知らない』と回答」となっている。このニュースに関心を持った人たちによって、「震災危険度ランク」およびそれに類似の用語による検索が増えた、ということだろう。
「地震速報」については「8月31日に東京湾を震源とする地震。気象庁の『緊急地震速報』が各地で的確な震度を予測」という説明がついている。
緊急地震速報については、このサイエンスポータルでも、9月4日の「Weekly Review」欄で「緊急地震速報まずまずの出足?」として紹介している。速報結果については明確に評価する新聞と、単に事実だけを伝えた新聞に分かれたことを伝えた。つまり、新聞報道では「的確に震度を予測」と言い切るまで、評価は定まっていない。
YAHOO!で検索した人々は、先入観なしに「緊急地震速報」あるいは「地震速報」というキーワードをたたいたのだろうか。その結果、「緊急地震速報が各地で的確な震度を予測」というプラス評価の入った情報により関心を示し、そうした情報へのアクセスも増えたのだろうか。
あるいは、最初から「緊急地震速報」がうまく機能したらしいという情報を求めて、検索したのか?
新聞とウェブの違いをあらためて考えさせられたランク表であった。(読売新聞の引用は東京版から)