世界各地から102人のこどもたちが集まり、地球環境を学び、開催テーマ「地球の未来へ、いま、僕たち私たちにできること」を宣言にまとめました。メイン会場のモエレ沼公園ガラスのピラミッドで行なわれたプログラムの一部を紹介します。
参加者:小学校5年生から中学校3年生(海外10カ国40人、国内62人)と引率の先生方
6月27日
アトリウムで開会式。実行委員長の上田文雄札幌市長は「未来の地球の主役、こどもの力の結集」を願って激励。環境省北海道地方環境事務所長 浅野能昭氏も「ほかの国の友だちと仲よくなり、議論するのは意義あること」とあいさつ、参加者が紹介されました。上田市長の開会宣言後イベントホールに移動、基調講演者、野口健氏の活動をDVDで見て、暴風雪のなかでごみを掘り出す緊迫した様子やキャンプの残骸の映像にみな真剣な表情でした。
レクチャータイム:野口 健 氏(アルピニスト)
野口氏は、エベレストの清掃活動を始めたきっかけや過酷な自然環境のもとで危険と闘いながら続けてきた葛藤を、こどもたちにも分かりやすく話しました。登山隊のお国柄によってごみの処理に差があることから日本における環境教育を痛感、「野口健・環境学校」の開設につながったようです。
そして地球温暖化の影響が顕著なヒマラヤ周辺で、氷河湖が溶けた大洪水の被害に直面し、国境のない環境問題に苦悩、いろいろなところで周知に努めました。そのかいあって第1回アジア・太平洋水サミットで発言、洞爺湖サミットに引き継がれて専門家による氷河の調査が始まったそうです。
ワークショップ1
:海外と国内6都市の計16グループが画像を交えてレポートを発表
ワークショップ2:小林三樹・藤女子大学 教授(衛生工学、都市環境工学、地球環境)
小林教授は、各国の環境問題の特性や現状を写真やデータを基に科学的な見地から解説。翌日のワークショップに備え、各地代表の発表からキーワードをあげて講評、10グループに分かれて、明日行う論議の進め方と総括メッセージに向けての指導を行った。
6月29日:宣言セレモニー
鴨下一郎環境大臣を拍手で迎え、橋本聖子氏と日本のオリンピックメダリスト7人が紹介されました。母国語で書かれたメッセージフラッグの入場・掲揚に続いて「宣言書手交式」、参加者の代表2人がステージで宣言書を発表しました。“二酸化炭素の排出減、緑・水・エネルギーを大切に、ごみの減少” などを行動目標にしています。
受け取った鴨下環境大臣は、「大人たちと一緒に頑張りましょう。国に帰ったらこのことを大いに伝えてもらいたい。102人のメッセージが友情でつながっている証しとなり、皆さんの財産になるように心から祈っております」とエールを送りました。フィナーレは「ストップ!温暖化こどもメッセージリレー」。アスリートの方々と各地の代表がメッセージを読み上げて大臣から青いシールをもらい、大きな赤い地球儀にはっていきました。日本最大のスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」が予測する温暖化が進んだ地球を表わしています。洞爺湖サミット初日の7月7日、大倉山ジャンプ場から世界中にメッセージが発信されました。
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