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最先端研究開発支援プログラムへの一本化

2009.07.06

 総額2,700億円の基金が用意される「最先端研究開発支援プログラム」の中心研究者と研究課題の公募要領が3日、内閣府から公表され、公募が始まった。

 2009年度補正予算として急浮上した高額のプログラムだから、既存の研究開発支援と「不合理な重複、過度の集中を避ける」ことが求められるのは当然だろう。

 内閣府の公募要領を見ると「プログラムに採択された場合、中心研究者および共同提案者が現在実施し、または、実施しようとしている他の研究開発については、予算の適切な執行の観点などから、原則として、遅くとも平成21年度中にプログラムによる研究開発に一本化し、プログラムによる研究開発に専念できる体制を整えること」と明記されている。

 内閣府の発表資料にはQアンドAも用意されており、ここには以下のように書かれている。

 「他の研究開発の内容がプログラムの研究課題と全く異なるものである場合や、研究開発システム改革を目的とした事業など研究開発を主な目的としていない事業を実施している場合など、プログラムによる研究開発への一本化が困難な場合は、支援会議及びワーキングチームにおいて、当該状況を考慮した審査等を行います。しかし、この場合も、プログラムの研究開発に十分な時間を確保していただくことが必要です」

 既に研究開発費を得て進行中の研究開発課題が新プログラムに採択されると、進行中のものはまずほとんどが新たな研究開発計画に移行、組み直されるのでは、と読める。既存の研究開発事業から櫛(くし)の歯が欠けるように多くのプロジェクトが吸い上げられるという事態になるのだろうか。そうではなく、これまでなかなか採択されなかったような斬新で意欲的な研究開発課題が数多く新プログラムによってスタートするのだろうか。

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