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教育再生会議が第2次報告

掲載日:2007年6月4日

政府の教育再生会議が1日、第2次報告をまとめ、公表した。

各新聞の報道は、授業時間増のための土曜授業の活用と、道徳を教科にすることに重点を置いたものが大半だった。

各紙の社説を比較すると、道徳の授業を見直し「徳育」を新たな教科とする提言について、産経新聞が「学力とともに規範意識を身につけ、豊かな感性や情操を育むことは、教育再生のために重視すべきで、評価したい」と明快に支持している。

読売新聞は「数値での成績評価は行わない。教科書はつくるが、副読本などと併用し、担任教師が教える。教員による運用の仕方が今後、問われることになるだろう」。

毎日新聞は「新教科にするなら、道徳で検定教科書を使うことの意味の重大さなどについて丁寧に論を尽くす必要があるが、報告にその気配は感じられない」と、疑問を呈している。

朝日、日経、東京新聞は、はっきり否定的な主張を掲げた。

「『道徳の時間』を徳育として教科化することにも疑問がある。検定教科書を使うことになれば、政府の考える価値観を教室で押しつけることになりかねない」(朝日)

「教科にすれば文部科学省による統制が強まり、微妙な価値観を含む道徳教育が硬直し、画一化する懸念がある」(日経)

「教科化そのものをもっと慎重に吟味すべきだ。徳育が昔の『修身』のような授業として復活を目指すのなら、批判は相次ぐだろう」(東京)

一方、土曜授業の活用については、読売、朝日、毎日の3紙が社説で取り上げ、いずれもさらなる議論を求めている。

「6日制から5日制への移行の経緯、私立学校の半数が依然6日制を採用している現状、保護者や教員らの意識動向など、掘り下げた議論を進めてほしい。土曜授業の復活について、再生会議としての検証、評価を示し、現場が責任を持って選択できる体制を作ることが必要だろう」(読売)

「長い議論を経て学校が週休2日制になったのは、ほんの5年前のことだ。学力が低下したから土曜授業で補う、というのは安易すぎないか。…学力をめぐる最大の問題は、できる子とできない子の格差が広がっていることだ。授業についていけない子を、時間数を増やすだけで救えるとは思えない」(朝日)

「5日制は、学校・家庭・地域が連携して『生きる力』の育成を目指す『ゆとり教育』の土台であり、その実施には長い論議と試行があった。…必要な修正や改廃はすべきだが、それには、問題点は何か、何が原因か、問題を繰り返さないためにはどうするか―などを徹底的に論じ合い、ほぼ共通した認識を分かち合うのが前提だ」(毎日)

教育再生会議が昨年10月、設立されて以来、その動向は、新聞紙面や放送番組などで詳しく報道されている。国民の関心もそれだけ大きいことの証拠とも言える一方、教育問題に即効薬などないということもまた、同会議をめぐる報道から明らかになったように見える。(各新聞の引用は2日朝刊東京版から)

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