レビュー

科学コミュニケーションには芸術的要素が不可欠

2006.07.21

今年の科学技術白書の表紙をデザインした木村政司教授・日本大学芸術学部のインタビューが7月16日付けの日本経済新聞「かがく cafe」欄(聞き手は滝順一・科学技術部長)に載っている。

木村さんは1980年代に米国・首都ワシントンにあるスミソニアン協会の自然史博物館に留学し、昆虫など生物を科学的に正確にしかも精緻に描き出すサイエンティフィック・イラストレーションの訓練をうけた、この分野での第一人者。

当然、科学と芸術の関係についても一家言ある。

「サイエンスもアートも人間の脳が生み出したコミュニケーションの形だと思う。外に向かった発言力が大事だ」

従って、今、流行の科学コミュニケーションについても「理科離れを憂えての動きだが、教え方の視点が科学者の立場に片寄りすぎている感じだ。見るものの心を沸き立たせるような魅力に欠け、一般に浸透する力がないようだ」と語っている。

魅力を増すために、「科学者とアーティストの二人三脚で新しいものを創造するのが目標」という。(引用は都内版より)

ページトップへ