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オープンイノベーションの加速目指す 平成29年版科学技術白書

掲載日:2017年6月5日

「オープンイノベーションの加速~産学官共創によるイノベーションの持続的な創出に向けて~」と題した「平成29年版科学技術白書」を文部科学省がまとめ、政府が2日の閣議で決定した。

オープンイノベーションは、研究機関や企業などが組織の枠組みを越えて幅広く知識や技術を結集しながら新技術や新製品につながる成果を目指すこと。文部科学省関係者らによると、産学官の連携プロジェクトや大学とベンチャー企業の共同研究は増えてはいるものの、欧米などと比べ立ち遅れも目立つ。白書はこうした現状を受けてまとめられたという。

「平成29年版科学技術白書」は第1部、第2部と特集による3部構成で、第1部では「なぜ今、オープンイノベーションなのか」や「オープンイノベーションを加速させるために」をテーマにオープンイノベーションを進める必要性について解説している。

例えば、第1部の「大学・研究開発法人に求められる役割の変化」の項目では、新たな価値を持つ製品やサービスがスピード感を持って求められている経済的・社会的背景に触れ、既存の企業では生み出せない技術やビジネスモデルの革新のためにはベンチャー創出が必要などと、オープンイノベーションを加速させる理由を展開している。

また、現状については「1件当たりの研究規模は小さく、産学官連携も本格化していない」とした上でオープンイノベーションを担う人材を産学官各セクターで連携しながら育成する必要性を指摘。さらに「各セクターに求められる行動」として、政府には積極的に取り組む機関を後押しするための制度改革を、大学・研究開発法人には経営改革と一体となったオープンイノベーション促進のマネジメント強化を、産業界には民間投資3倍増の目標達成をそれぞれ挙げた。

第2部では、暮らしの中に生かされている身近な科学技術の成果を紹介した。特集では、昨年ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典(おおすみ よしのり)東京工業大栄誉教授の研究概要を紹介。その上で、研究論文数の伸びの停滞などを例に研究分野での日本の存在感の低下を指摘して基礎研究の振興や若手研究者支援を強化する方針を明示している。

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