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不眠不休の働きもの、金属を引っ張り続けて50年 NIMSクリープ試験機

2025.09.08

筒状のヒーター内は熟練のスタッフにより設定温度からプラスマイナス1.5度以内に保たれ、最低でも10万時間以上にわたる試験が行われている
筒状のヒーター内は熟練のスタッフにより設定温度からプラスマイナス1.5度以内に保たれ、最低でも10万時間以上にわたる試験が行われている

 茨城県つくば市にある物質・材料研究機構(NIMS)。その名のとおり、日本の材料研究をけん引する機関だ。今回はその一角にあるクリープ試験場にお邪魔した。

 クリープ試験とは、火力発電施設のボイラーやタービンに用いられる金属などの耐久性を調べるもの。試験片をヒーター内で数百度まで加熱し、重りでただひたすらに引っ張り続ける。林立する試験機の数は500台。その1つ1つで、音もなく試験が行われている。

 試験の開始は1969年。2011年にはある試験片の総試験日数が1万4868日に達し、ギネス世界記録にも認定された。この栄誉も通過点だと言わんばかりに、試験機たちは今も不眠不休で試験を続けている。プラントの安全は、働きものたちの途方もない試験によって支えられているのだ。

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