広大な宇宙に散らばる、大小の天体。自然が織りなすユニークな形の美しさに、私たちはしばしば魅了される。米航空宇宙局(NASA)などが新たに公表した惑星状星雲「NGC1514」の姿も、そんな一枚だ。円筒形の箱の中に、バラの花が入っているようにも見える。誰かへのプレゼント?
米欧とカナダの「ジェームズウェッブ宇宙望遠鏡」が中間赤外線により、おうし座の約1500光年かなたに捉えた。惑星状星雲は年老いて死にゆく星が、赤色巨星から白色矮星(わいせい)へと変わりつつある天体。中心でひときわ輝く星は、1つに見えるが実は2つという。一方の星から流れ出したガスや塵(ちり)が、周囲に広がっている。
円筒形を構成する2つのリングは主に塵の集まりで、「2つの星がかなり接近したことによる相互作用により、球状ではなく予想外の形になったのかもしれない」と研究者。この姿はこれから、何千年もかけて変わり続けるのだとか。