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宇宙からの帰還、過酷な道のり物語る“真っ黒焦げ”

2025.07.17

ソユーズ宇宙船の帰還カプセルとパラシュートの実物=今月11日、東京都江東区の日本科学未来館
ソユーズ宇宙船の帰還カプセルとパラシュートの実物=今月11日、東京都江東区の日本科学未来館

 夏休みを前に、都内で始まった宇宙展。その一角に、真っ黒焦げの大きなカプセルがたたずんでいる。ロシアの「ソユーズ」宇宙船の実物で、国内では実に希少。飛行士が3人乗り込め、機体構成のうち唯一、地上に着陸する「帰還モジュール」部分だ。

 この機体は2021年、日本の民間人で初めて国際宇宙ステーション(ISS)滞在を果たした実業家、前澤友作さんらが搭乗したもの。前澤さんが購入した私物という。外壁の黒焦げは大気圏突入の際、超高温になってできた。帰還の道のりの過酷さを物語る。天井に、地上への降下中に開くパラシュートも展示されている。

 実に60年近く活躍中のソユーズだが、1967年と71年には死亡事故も起こした。機体を見つめるうち、人類が磨いてきた技術の苦闘の歴史が、外壁ににじんでいる気がしてきた。この特別展「深宇宙展~人類はどこへ向かうのか」は、東京・お台場の日本科学未来館で9月28日まで。

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