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月と惑星たちが日没後に並び、年末年始のごあいさつ

2022.12.28

 2022年も残りわずか。今年は11月8日の皆既月食が話題となったほか、いくつかの流星群などを楽しめた人も多かったようだ。そして年末年始には夕方から宵の口にかけ、多くの惑星と月が弧を描くように並んでいる。お正月には初日の出だけでなく、見上げて星たちの“新年舞台あいさつ”を楽しんではいかが。

元日午後7時の東京の空(国立天文台提供)
元日午後7時の東京の空。月の形は月齢を反映していない(国立天文台提供)

 国立天文台の担当者や資料によると、12月28日時点で日没後の空に月と水、金、火、木、土星が並んでいる。ただ、地球より内側を公転する内惑星である水星と金星は、高度が低く、間もなく沈んでしまう。水星は数日で、太陽の明るさで見えなくなる。金星は日を追うごとに少しずつ、夕方に見やすくなっていく。土星は高度が低くなる。

 元日時点の明るさの等級は、夕空に西から並ぶ順に水星1.3、金星-3.9、土星0.9、木星-2.3、火星-1.2となる。なお天王星は5.7等級ほどで、事前に位置を把握し、十分に暗い場所で双眼鏡などで注意深く見なければ、確認が難しいだろう。海王星も空にあるが7.8等級ほどで、肉眼では見えない。

探査機や人工衛星が撮影した太陽系の星々の合成写真。左上から左下へ数珠つなぎに水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星。右上は月(NASA提供)
探査機や人工衛星が撮影した太陽系の星々の合成写真。左上から左下へ数珠つなぎに水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星。右上は月(NASA提供)

 このほか、2023年の主な天文現象として日食や月食、流星群などが挙げられる。日食は4月20日、九州や四国、本州それぞれの南部で部分食が起こる。この時、東南アジアなど海外の一部では金環皆既日食となる。部分月食が10月29日にあり、沈む前の月がわずかに欠ける様子が、小笠原などを除く全国でみられるという。

 流星群のうち、特に流星が多発するものは「三大流星群」と呼ばれる。その一つ、8月13日と14日未明が見頃のペルセウス座流星群は、月明かりの影響をあまり受けずに見られる。12月15日未明が見頃のふたご座流星群は月明かりがなく条件が最良で、1時間あたり60個ほどが期待できるという。

 もう一つのしぶんぎ座流星群は、国内では1月4日未明が見頃となりそうだが、極大(ピーク)は真っ昼間の同日正午頃と予想される。もともと他の2つの流星群より活発な時間が短いともいわれ、今回は必ずしも好条件ではないとみられている。

 今月1日に地球に最接近したばかりの火星が、年初のうちはまだまだ明るく目立つ。また8月に土星、11月に木星が地球に近づいて見応えがあり、巨大惑星が楽しい年にもなるのだとか。

ペルセウス座流星群(複数の流星を重ね合わせたもの、国立天文台提供)
ペルセウス座流星群(複数の流星を重ね合わせたもの、国立天文台提供)

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