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東北地方で最大震度6強、首都圏も大きく揺れる 震源は福島県沖で死者やけが人の報告相次ぐ

2022.03.17

 16日午後11時36分ごろ、福島県沖を震源とし、宮城県や福島県で最大震度6強を記録し、首都圏を含め広い範囲が揺れる地震が発生した。気象庁によると、震源の深さは推定約57キロ、マグニチュード(M)は7.4。同庁は「今後1週間程度は最大震度6強程度の地震に注意をする必要がある」としている。この大きな地震による被害は、夜が明けた17日、死者やけが人の報告が相次いでいる。首都圏などでは200万戸以上が停電。宮城県の石巻港で30センチなど、各地で津波を観測した。

気象庁が17日午前零時11分に発表した福島県沖を震源とする地震の各地の震度と震央の概要図(気象庁発表)

 気象庁によると、震度6強を観測したのは、宮城県は登米市と蔵王町、福島県は相馬、南相馬両市と国見町の5市町。揺れは首都圏から一部関西地方にも及び、東京、千葉、埼玉、神奈川の各都県でも震度4のかなり強い揺れを感じた。JR東日本などによると、東北新幹線下りのやまびこ223号が福島―白石蔵王間で脱線。17日午前9時現在、那須塩原―盛岡間の上下線で運転を見合わせている。復旧のめどは立たず、運休が長期間に及ぶ恐れもあるという。同日午後記者会見した松野博一官房長官によると、地震との関係が明確な死者は1人で、このほか関連を調査中の人が1人。100人以上のけが人が報告された。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、大規模停電は東北5県と関東などの1都8県で、一時最大約220万戸で発生した。原子力規制庁などによると、東京電力福島第1原発の2号機で使用済み核燃料プールの冷却が停止したが、その後復旧した。5号機のタービン建屋では火災報知機が作動したが異常はなかった。このほか第1原発5号機と第2原発の1号機と3号機、東北電力女川原発1号機のプールの冷却も停止し、その後復旧した。仙台市内の50代の女性は「揺れは11年前の時(東日本大震災)より大きいようにも感じた。室内も散乱し、どんな大地震が起きてまた大津波が来るのかと怖くなった」と話している。

 政府の地震調査委員会は早ければ17日にも臨時会合を開催する。16日深夜の地震の震源は東日本大震災を起こしたM9の東北地方太平洋沖地震の余震域にあり、同地震との関係などが検討される。今回の地震は陸の下に沈み込む太平洋プレート内で起きたとみられる。

 宮城、福島両県では昨年2月13日にも震度6強の地震が発生。関連死も含め3人が死亡、180人以上が重軽傷を負っている。政府の地震調査委員会は、今回の震源を含む青森県東方―茨城県沖の太平洋プレート内部での地震について、今後30年での発生確率を最も高いランクとし、警戒を呼び掛けていた。

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