三大流星群の一つ「しぶんぎ座流星群」の時期にさしかかった。例年の出現期間は12月28日~1月12日頃で、今年の極大(ピーク)は1月4日午前5時台と予想されている。この頃には流星が夜空の高い所を基点にして起こり観測しやすい上に、新月の翌日で月明かりの影響がない。国立天文台は「近年まれにみる絶好条件」といい、新年を飾る天体ショーをぜひ楽しみたい。
国立天文台の資料によると、4日に見え始めるのは東京で午前1時頃。その後、極大に向け活発になり、しかも基点が高くなるため数は急激に増加していきそうだ。極大時には、空が暗い場所なら1時間に30~50個以上が見られる可能性があるという。実際にどの程度観察できるかは熟練度や視力、気象条件にもよる。
流星(流れ星)は、宇宙空間のチリが地球の大気圏に突入して燃え尽きる際、成分が光って夜空に筋を描く現象。彗星(すいせい=ほうき星)の通り道に多くのチリが帯状に残されており、地球が毎年そこにさしかかる際に大気に飛び込んで、流星が多発する流星群が起こる。地球がチリの帯を通り、流星群が起こる時期は毎年決まっている。しぶんぎ座流星群の場合、チリを残した天体「母天体」は未解明だが、2003年に発見された小惑星「2003EH1」が有力視されている。
流星群は空のどこにでも現れうるが、光の筋をさかのぼって延長すると一つの基点「放射点」に集まる。その向こうの宇宙空間からチリが降ってくるためだ。しぶんぎ座流星群の放射点は、うしかい座とりゅう座の境界付近にある。放射点の高度が高い時ほど、流星の数が多い傾向がある。
大小100以上の流星群のうち、特に流星が多発するものは「三大流星群」と呼ばれる。しぶんぎ座流星群もその一つだが、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群に比べると活発な期間が短く、年による数の変動が大きい。名称のしぶんぎ座は、今は存在しない「壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座」に由来する。「りゅう座イオタ流星群」とも呼ばれる。
一つ一つの流星がいつ、空のどこに出るかは全く予測できない。なるべく空の開けた場所で、肉眼で観察する。シートを敷いて寝転ぶと楽だが、利用できる安全な場所であることを確かめる必要がある。十分な防寒を準備したい。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止のため遠出は控え、他人との濃厚接触を避けるよう注意したい。
関連リンク
- 国立天文台ほしぞら情報「しぶんぎ座流星群が極大(2022年1月)」