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新型コロナの累計感染者、世界で1億人に迫る 米英などでワクチン接種進むも拡大に歯止めかからず

2021.01.26

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界の累計感染者数が日本時間の26日午前、約9959万人となり、1億人に迫っていることが米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計で明らかになった。死者も約214万人に達した。日本国内については、現在11都府県の緊急事態宣言が出されており、感染拡大ペースはやや鈍化する兆しが見られる。しかし世界レベルでは、米国や英国などでワクチン接種が進むものの、感染拡大に歯止めがかからない深刻な状況が続いている。

米ジョンズ・ホプキンズ大学のCOVID-19の集計サイト。左上の赤い数字が世界の感染者数(米ジョンズ・ホプキンズ大学ホームページから)
米ジョンズ・ホプキンズ大学のCOVID-19の集計サイト。左上の赤い数字が世界の感染者数(米ジョンズ・ホプキンズ大学ホームページから)

 ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、日本時間26日午前8時の時点で感染者は約9959万人。死者は約214万人。国別感染者は、米国が最も多く約2525万人で全体の約4分の1を占めている。2番目はインドの約1067万人、3番目はブラジルの約884万人で、ロシアの約370万人、英国の約368万人と続いている。100万人を超えている国は20カ国近くを数えている。国別死者は、米国の約42万人が最多で、次いでブラジルの約22万人、インドの約15万人。

 2019年12月31日に中国・武漢市当局が原因不明のウイルス性肺炎が発生したと発表し、世界を驚かせた。翌20年1月9日に中国国営テレビが肺炎患者から新型コロナウイルスが確認されたと報じた。同月16日に日本の厚生労働省が国内初の感染者を確認したと発表。間もなく感染は東アジアや欧米でも広がり、世界の感染者は昨年の4月上旬に100万人を超えた。

 その後5月下旬に500万人になったころから感染者増のペースが加速し、6月下旬には1000万人台を超えた。北半球が夏期に入っても拡大は収まらず、感染者数は9月下旬に3000万人台に、11月上旬に5000万人台になっていた。その後も増加ペースは加速気味で、 年が明けた1月11日に9000万人を超えた。

 世界の感染者数が1000万人に達するまでの日数は160日あまりだったが、その後ペースは徐々に速まり、8000万人から9000万人まではわずか15日。ほぼ同じペースで1億人近くになった。

 約100年前に世界的に大流行したスペイン風邪は、感染者や死者の正確な統計はないが、約5億~6億人が感染し、数千万~5000万人が死亡したとされている。その後、1957年に始まったアジア風邪では約200万人が、1968年に始まった香港風邪では約100万人が死亡したとされている。

 今世紀に入って感染者が多い感染症は結核だった。世界保健機関(WHO)によると、世界の人口の約4人に1人が感染し、2019年の世界の感染者は1000万人に上り140万人が死亡したという。しかし、COVID-19は感染者が確認されてからわずか1年あまりで結核の年間感染者数の10倍を数えるという、長く歴史に記される大パンデミックになってしまった。

世界の感染者が増加の一途であることを示すグラフ(米ジョンズ・ホプキンズ大学提供)
世界の感染者が増加の一途であることを示すグラフ(米ジョンズ・ホプキンズ大学提供)

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