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京大がタイ国立科学技術開発庁と学術交流協定を締結

2018.09.27

 京都大学(山極壽一総長)は、タイをはじめとするASEAN地域での研究教育交流を一層積極的に進めるためにタイ国立科学技術開発庁(NSTDA)と学術交流協定を28日に締結する。学術交流の中核を担うのは「京都大学ASEAN拠点」(柴山守所長)で、同拠点とNSTDA関係者らが出席して協定締結式が同日夕、バンコク市内で行われる。京都大学ASEAN拠点は3月にタイ王国労働省からNGOの認可(外国機関のタイにおける活動認可)を受けており、この日は締結式に先立ってNGO認可記念式典も開催される。

 京都大学ASEAN拠点は、同大学の全学海外拠点として2014年6月に設立された。同拠点は、京都大学のASEAN地域における研究・教育・国際貢献の深化を支援するために設立された。その後、京都大学、同拠点とNSTDAは、科学技術振興機構(JST)のプロジェクト(JASTIP;「日ASEAN科学イノベーション共同研究拠点−持続可能開発研究の推進」)などを通じて学術交流を続けてきた。今回の協定締結はこうした活動を一層強化し、タイだけでなくASEAN地域全体の発展に寄与することなどを目指している。

 京都大学ASEAN拠点は今回協定が締結されたことを受け、今後(1)ASEAN地域での研究活動の支援(2)ASEAN地域での教育活動の支援(3)京都大学教職員・学生の国際化の推進(4)広報・社会連携・ネットワーク形成−を柱にタイをはじめとするASEAN地域での活動を強化する。同拠点は2016年9月にASEAN各国の政府機関、学術機関代表らを京都市に招いて「京都ASEANフォーラム」を開催しており、研究交流だけでなく、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)など、科学技術に関する幅広い国際的な課題も活動範囲にしている。

 28日の締結式と記念式典には、京都大学側から、いずれも副学長である稲葉カヨ・男女共同参画・国際・広報担当理事、河野泰之・国際戦略本部長、らが、タイ側からNSTDAのナロン・シリルーウォラクン長官、タイの政府、教育関係者ら合わせて約100人が出席する予定。

図 京都大学ASEAN拠点紹介パンフレットの表紙(一部)(京都大学ASEAN拠点提供)
図 京都大学ASEAN拠点紹介パンフレットの表紙(一部)(京都大学ASEAN拠点提供)
写真 2017年7月にタイのランシットで開かれた第4回JASTIPシンポジウムに参加した京都大学ASEAN拠点の河野泰之氏(左端)ら(提供・京都大学ASEAN拠点)
写真 2017年7月にタイのランシットで開かれた第4回JASTIPシンポジウムに参加した京都大学ASEAN拠点の河野泰之氏(左端)ら(提供・京都大学ASEAN拠点)

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