宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業とは27日午後1時34分、政府の情報収集衛星「光学6号機」を載せたH2Aロケット38号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げた。衛星は予定軌道に入り、打ち上げは成功した。打ち上げは当初25日の予定だったが、悪天候のため2回延期されていた。
情報収集衛星は宇宙から地上を監視する衛星で、内閣衛星情報センターが運用を担当している。可視光で地表面を撮影する光学衛星と夜間や悪天候でも撮影できるレーダー衛星がある。
関係者によると、現在、光学衛星2基と、レーダー衛星3基、その予備機1基の計6基が運用されており、光学衛星である光学6号機の運用が開始されれば7基体制になる。
政府は北朝鮮のミサイル発射監視のほか、自然災害の状況把握の必要性が増しているとして15年12月の宇宙開発戦略本部(本部長・安倍晋三首相)で、将来光学衛星とレーダー衛星合わせて10基体制にする方針を決めている。4基でも地上のどこでも1日1回撮影可能だが、10基になると特定の場所を狙う撮影チャンスが一気に増えるとされている。
関連リンク
- 内閣情報衛星センター報道関連情報「情報収集衛星光学6号機の打上げについて」
- JAXAプレスリリース「H-IIAロケット38号機による情報収集衛星光学6号機の打上げ結果について」
- 宇宙開発戦略本部・宇宙基本計画工程表