米航空宇宙局(NASA)は7日、太陽の表面で起こる大規模な爆発現象「太陽フレア」が日本時間6日午後に2回発生したと発表した。NASAの衛星「SDO」が観測し、爆発の規模はともに現在の太陽活動周期では最大クラスという。
NASAによると、太陽フレアにより放出されたプラズマ粒子は8日にも地球に到達。地上の通信機器や衛星利用測位システム(GPS)に影響を及ぼす可能性もある。太陽活動は約11年の周期で変動している。現在の太陽活動周期は2008年12月から始まった。今は活動が弱い時期とされるが、今回観測された2回目のフレアは現周期では最も大きい規模という。
太陽フレアは太陽表面で起きる爆発現象。黒点付近の磁場エネルギーにより発生する。放射線やプラズマ粒子が大量に放出される「太陽嵐」が起きる。地球の磁場や電磁層が乱れ、人工衛星のほか、GPSや通信機器などに影響することがある。 このため、衛星放送が映りにくくなったり、GPSに誤差が生じたりする可能性もある。1989年にはカナダで大規模停電が発生した。
情報通信研究機構によると、今回の太陽フレアの規模は通常の1000倍以上で、日本にプラズマ粒子が到達するのは8日午後3時から9日午前零時ごろの間という。
関連リンク
- NASAプレスリリース「Two Significant Solar Flares Imaged by NASA's SDO」
- 情報通信研究機構プレスリリース「通常の1000倍の大型太陽フレアを観測〜11年ぶり、地球への影響は9月8日午後の見込み〜」