千葉県・房総半島沖の海底にレアメタル(希少金属)を含む岩石「コバルトリッチクラスト」が広がっていることを、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と高知大学、茨城大学、筑波大学の共同研究グループが見つけ、5日発表した。
JAMSTECなどの研究グループは、無人探査機「かいこうMK-Ⅳ」を使用して、千葉県・房総半島沖の東南東約350キロの排他的経済水域にあり、「拓洋第3海山」と名付けられた海底の山の斜面を探査した。探査地点は水深1,400〜1,700、2,500〜2,700、3,200、4,300、5,500各メートルの5地点。
探査の結果、拓洋第3海山の斜面一帯が厚いコバルトリッチクラストに覆われていることが確認された。共同研究グループは、多数のコバルトリッチクラストを採取、これらの中でも3,200メートルの水深から採取したものは厚さが13センチあったという。
共同研究グループは昨年2月に、本州から南東に約1,800キロ離れた海底の山(拓洋第5海山)でもコバルトリッチクラストの分布を確認している。同グループは「厚さ13センチは北西太平洋のコバルトリッチクラストとしては最大級の厚さ」としている。
コバルトリッチクラストにはコバルトやニッケル、テルル、白金などが含まれている。今回の探査結果がすぐに有用資源採掘につながることはないとみられるが、今回の発見海域が本州から近いことから共同研究グループによると、(採掘に向けた)調査・開発技術の実験海域として利用が期待できる、という。
探査は戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)課題「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」の一環として行われた。
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