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AI活用しがん患者ごとに最適治療を提供 がん研究会などがシステム開発開始

2017.02.03

 公益財団法人がん研究会などが、がん患者のゲノム(全遺伝情報)を解析、人工知能(AI)を活用して患者に最適な治療を提供するシステムを開発する。 同研究会とAI開発を手がけるベンチャー企業が共同で開発を進め、2021年末の実用化を目指すという。

 がん研究会は、がん手術数の実績では国内トップの「がん研究会有明病院」(東京都江東区)を運営しており、昨年10月に最先端のゲノム解析技術とAIを活用する「がんプレシジョン医療研究センター」を設立した。同研究センターと「FRONTEOヘルスケア」社が共同で開発を目指すシステムは「がん個別化医療AIシステム(CPM-AIシステム)」と名付けられ、ゲノム解析の検査結果に基づいてAIが患者の症状に合った治療法に関わる論文を検索し、医師の判断を支援する。

 同システムで重要な役割を担うゲノム解析検査は、患者の体に負担がかかる細胞採取をしなくても血液や尿に含まれる分子から遺伝子変異を特定できるのが特長。同研究会と同社は当面患者が多い肺がんと乳がんでの実用化研究を進める。両者はまた、AIが患者と“対話”し患者の理解度などの情報を分析して医師による説明を支援するシステムの開発も行うという。

図 がん研究会と「FRONTEOヘルスケア」社が開発するシステムの全体構成(がん研究会と「FRONTEOヘルスケア」社作成・提供)
図 がん研究会と「FRONTEOヘルスケア」社が開発するシステムの全体構成(がん研究会と「FRONTEOヘルスケア」社作成・提供)

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