地球温暖化対策の新しい枠組み「パリ協定」が発効することが正式に決まった、と国連の気候変動枠組み条約事務局が6日発表した。正式発効は11月4日になる見通し。温暖化の影響とみられる異常気象が世界各地で発生する中でさらなる被害を抑えるためのパリ協定が動き出す。日本政府も批准の方針だが現時点で未批准。
同事務局によると、10月6日現在73の国と地域が批准し、批准国の排出量が世界の温室効果ガス排出量に占める比率が56.87%に達し、二つの発効要件を満たした。パリ協定は、昨年12月にパリ郊外で開かれた同条約第21回締約国会議(COP21)で採択されてから10カ月という短い期間で発効することが決まった。協定採択から発効まで異例の速さで、世界の各国の危機感を反映した形だ。
日本政府は近く批准案を閣議決定する予定だが、今国会での批准案審議日程は未定で批准決定時期のめどは立っていない。11月7日にモロッコのマラケシュで開かれる協定の第1回締約国会議(CMA1)に日本は発言権を持って参加することができない可能性がある。
パリ協定は、世界の温室効果ガス排出量を今世紀後半に実質ゼロにし、産業革命以来の気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えるとの目標を掲げた。「批准国55カ国以上」「批准国の排出量が世界の排出量の55%に達する」という二つの発効要件を満たすと30日後に発効する。