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「IoT」利用し安全・安心な建物を実現 理科大が産学官連携研究を開始へ

2016.08.03

 東京理科大学工学部が「IoT」(モノのインターネット)を利用した安全・安心な建物を実用化するための本格的な実地研究を産学官連携で開始する。実用化イメージは、建物内に組み込んだIoT利用の感知機能が人の動作などを感じ、安全・安心に関わる状況を検知して、危険予知情報などを発信する「知能住宅」だという。

 同大学工学部は、既に建物の耐震安全性の向上や自然災害からの早期復旧を目的に、IoTを利用して建物が日常時、非日常時の状態を自己検知するシステムの実用化可能性を検証した。その結果「可能性は十分にある」として、さまざまな関連分野の技術を結集させた「新しいIoT 化建物」実現のための基礎研究を開始。今後、情報通信研究機構(NICT)や大分県国東市、建築資材・加工や建設施工といった関連産業企業と連携し、本格的な実地研究を始めることを決めた。

 同大学によると、産学官連携研究が対象にするIoT 化建物の具体的な実用化イメージは、建物の骨組みや内、外装材にIoT を利用した感知機能を組み込み、地震などの災害が発生した際の状況を検知して、現状や危険予知情報などを発信。さらにハザードマップを形成するなどして災害後もなるべく建物、都市の復旧、復興期間を短縮化する「人工知能(AI)による知能住宅システム」だという。

 同大学の研究計画によると 、今年度内に要素技術の基礎研究を実施してIoT を支えるセンシング・通信・発電技術の確立を目指す。また来春には大分県国東市内に実験用建屋を建設して、「新しいIoT 化建物」「知能住宅」の適用性や有効性を検証する。

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