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パリ協定、175国・地域が署名 早期発効に弾み

2016.04.25

 温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の署名式が米ニューヨークの国連本部で日本時間23日行われ、日本や米国、中国など同日段階で175の国や地域が署名した。発効には少なくとも55の国や地域が批准し、温室効果ガス排出量の合計が世界全体の55%に達することが必要。多くの国が「批准の意思表明」となる署名をしたことに加え、世界の排出大国の米中が批准に積極的姿勢を示したことでパリ協定の早期発効に向け弾みが付いた形となった。

 パリ協定は、昨年12月にパリで開かれた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択された。京都議定書に代わる温暖化対策の国際的な新たな枠組みとして2020年からの実施を目指している。発展途上国も含む全ての国に国別排出削減目標に基づく対策実施を求めている。産業革命以降の気温上昇を2度未満、できれば1.5度以内に抑えるために今世紀後半には温室効果ガス排出量を実質的にゼロにすることを目標にしている。

 署名式には、フランスのオランド大統領やカナダのトルドー首相らも出席。排出量世界一位の中国の 張高麗(ちょう こうれい)筆頭副首相や二位の米国のケリー国務長官が早期批准方針を明言。また国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は「われわれは時間と闘っている」と述べ、各国の早期批准を訴えた。15カ国が署名と同時に批准書を提出した。

 日本は吉川元偉(よしかわ もとひで)国連大使が出席、署名した。政府は、来年の通常国会で与野党間で批准について議論し、批准の是非を問う方針だ。批准のためには国会での承認が必要となる。日本は温室効果ガス排出量を2030年までに26%削減する目標を定めている。

写真 署名式終了後記者会見する国連の潘基文事務総長(右)とフランスのオランド大統領(左)(国連提供)
写真 署名式終了後記者会見する国連の潘基文事務総長(右)とフランスのオランド大統領(左)(国連提供)

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