稲盛財団は19日、今年の京都賞受賞者に國武豊喜(くにたけ とよき)北九州産業学術推進機構理事長、ミシェル・マイヨール・スイス・ジュネーブ大学名誉教授、ジョン・ノイマイヤー・ドイツ・ハンブルクバレエ団総裁・芸術監督を決定した。
〈稲盛財団提供〉
國武氏の授賞(先端技術部門)理由は、人工分子から生体膜の基本構造である二分子膜が自己組織的に形成されることを発見し、分子組織化学という新たな学問潮流の創出に貢献した業績による。
マイヨール氏の授賞(基礎化学部門)理由は、分光装置など観測技術の向上により初めて太陽系外惑星を発見、新たな研究分野の開拓に大きく貢献した業績に対して。ノイマイヤー氏の授賞(思想・芸術部門)理由は、伝統的なバレエの動きを基本としながら、人間心理を巧みに表現した振付によって舞踊界をリードし、舞踊芸術を一段の高みへと引き上げた功績による。
授賞式は11月10日、京都市の国立京都国際会館で行われ、3氏にはそれぞれディプロマ、京都賞メダルと賞金5,000万円が贈られる。
國武氏は昨年、文化勲章を受章している。2005年発行の「科学者になる方法」(科学技術振興機構プレスルーム編、東京書籍)の中で、中高校生時代は本を読むのが好きで理科や数学はむしろ苦手だったという思い出とともに、次のような研究者観を語っている。
「研究者として求められる資質は、研究することを面白いと思えることができるかどうかでしょうか。別の言い方をすれば、研究にのみ集中し、他を捨てることができるかどうかということでしょう」
関連リンク
- 稲盛財団トピックス「第31回(2015)京都賞受賞者の決定」