英国の教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」は10日、「アジア大学ランキング2015」を公表した。
100位までに入った大学の数が一番多かったのは中国で21大学。2位の日本(19大学)を追い抜いて初めてトップになった。同誌は、中国の大学の目覚ましい発展と日本がアジアでトップの座をライバル国に明け渡したことを、注目点として挙げている。
「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」は、教員一人当たりの論文被引用数や教員と学生の比率、さらに外国人教員や外国人留学生の数などを評価の対象とした「世界の大学ランキング」を毎年、公表している。今回の結果は、昨年10月に公表された「世界大学ランキング2014-2015」の評価結果を基に、アジア地区だけの大学を順位付けしたものだ。
日本の大学は、トップの東京大学をはじめ、京都大学(9位)、東京工業大学(15位)、大阪大学(18位)、東北大学(19位)の5大学が、上位20位以内に入っている。これに対し、中国は上位20位内に入ったのは2大学だけだったが、北京大学4位、清華大学5位と、東京大学を除く全ての日本の大学より高い評価を得ている。
中国の大学が力を増してきていることは、日本の産業界との関係からもうかがうことができる。科学技術・学術政策研究所は日本企業1,686社を対象に、2003〜2009年に自社所属の研究者が国内外の大学研究者とどれだけ共著論文を発表したかを調べている。昨年10月に公表された報告「共著論文から見た日本企業による国際産学共同研究の現状」によると、清華大学は、日本企業との共著論文数の多さで、米国のスタンフォード大学、ハーバード大学に次ぐ3位の位置を占めている。
関連リンク
- タイムズ・ハイヤー・エデュケーション「アジア大学ランキング2015」
- タイムズ・ハイヤー・エデュケーション「世界大学ランキング2014-2015」
- サイエンスポータルチャイナ・取材リポート「日本企業と共同研究盛んな清華大学 共著論文数世界3位」