国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は17日、山形県酒田港で空気タービン式波力発電システムの実証試験を開始した、と発表した。
酒田港の護岸に設置された波力発電システムは、振動水柱型空気タービン方式と呼ばれる。空気室内の水面が波の上下に合わせて変動する結果、発生する空気の流れを利用してタービンを回転させ発電する。2011年度からNEDOが取り組んできた海洋エネルギー発電技術の研究開発プロジェクトによって開発された。最大15キロワット級の規模で半年程度の実証試験を予定している。
海洋温度差、波力、潮力、海流などの海洋エネルギーを利用する発電システムは、地球温暖化対策上、有望な方式として欧米の関心が高い。日本でも1980年代から波力発電の研究開発や実証試験が行われてきた。しかし、NEDOによると、実用化には発電効率と設備の耐久性をより一層向上させる必要があるほか、監視システムと制御システムの高度化が求められている。
関連リンク
- 新エネルギー・産業技術総合開発機構プレスリリース「山形県酒田港で波力発電の実証試験を開始-空気タービン式波力発電システムの実用化を目指す-」