宇宙航空研究開発機構(JAXA)と科学技術振興機構(JST)は2月19日、科学技術イノベーション創出に向けて、独創的な研究、実用化開発の加速や効果的な成果の展開を行うため、双方の研究開発資源の活用や情報交換などの相互連携、協力を円滑に実施することを目的として、相互協力協定を締結した。JAXAの奥村直樹(おくむら なおき)理事長とJSTの中村道治(なかむら みちはる)理事長が協定書に署名した。
4月から国立研究開発法人になる両機構は今後、この相互協力協定に基づき、社会的課題の解決と日本の競争力向上への寄与を図り、次世代人材の育成に協力して取り組んで、日本全体としての研究開発成果の最大化を目指す。協定の主な内容は、 有望な研究課題・成果の発掘と推進・展開への協力、 宇宙航空分野の研究開発成果の社会実装に向けた協力、 青少年教育の促進と研究開発成果のアウトリーチの促進に関わる協力、 費用負担や知的財産などの取り扱いや秘密保持など、多岐にわたっている。
協力協定の締結に際して、JAXAの奥村直樹理事長は「宇宙開発の環境が大きく変わる中で、開かれたJAXAにしていこうと考えている。両機構合わせて日本の研究開発の最適化に貢献したい。これからは計画的に共同事業をより推進できる。強力なパートナーになるだろう」と語った。また、JSTの中村道治理事長は「奥村理事長と話し合って協定の締結を決めた。国立研究開発法人として連携し、オープンなイノベーションを実現したい。人材育成や科学コミュニケーションも含め、社会と科学が共に未来をつくっていくように、幅広い形で協力していく」と意欲を見せた。