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福岡で見つかったカメ化石は新種だった

2015.01.23

 福岡県宮若市で発掘されていたカメ化石は新種であることを、福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)の薗田哲平(そのだ てっぺい)主事らが確かめた。中生代白亜紀前期(約1億2000万年前)の地層から出た化石で、カメ類のアドクス属の種としては世界最古とみられ、甲羅の一部が原始的な特徴を持っている。カメ類の進化や多様化を探る重要な資料として注目される。北九州市立自然史・歴史博物館、早稲田大学、茨城大学との共同研究で、日本古生物学会欧文誌Paleontological Research1月号に発表した。

 新種とわかったカメ化石は甲羅の背中側、腹側のパーツ計7点。同じ個体の甲羅の一部とみられる。復元して推定すると、甲羅の長さは29センチとやや小さく、甲羅の模様もほかの化石と違っていた。中生代白亜紀前期から新生代始新世後期(約3400万年前)にかけてアジアと北米に生息して絶滅した原始的なスッポンのアドクス属の仲間で、発見された宮若市の千石峡にちなみ「アドクス・センゴクエンシス」(千石峡のアドクス)と名付けた。これまで種が特定されたアドクス属では、中央アジアで見つかった約1億年前の化石が最も古く、今回の化石はそれを約2000万年さかのぼらせることになった。

 北九州市教育委員会の1994年の調査で発掘された後、詳しく調べられないまま収蔵されていたが、北九州市立自然史・歴史博物館を2009年に訪れた薗田哲平主事が「今まで見たことがない模様」に気づき、共同研究が始まった。甲羅の形態は原始的な特徴をしており、アドクス属の化石としては最も小さいこともわかった。化石の実物は3月上旬まで北九州市立自然史・歴史博物館で、化石の複製は3月31日まで福井県立恐竜博物館で展示される。

福岡県宮若市の千石峡で発掘されたアドクス・センゴクエンシスの化石
写真. 福岡県宮若市の千石峡で発掘されたアドクス・センゴクエンシスの化石

 

アドクス・センゴクエンシスの甲羅復元図に標本を重ねた図。甲羅の背側(左)と腹側(右)。図の上方向が頭の出る前方になる。
図. アドクス・センゴクエンシスの甲羅復元図に標本を重ねた図。甲羅の背側(左)と腹側(右)。図の上方向が頭の出る前方になる。

 

(いずれも提供:北九州市立自然史・歴史博物館、福井県立恐竜博物館)
アドクス・センゴクエンシスの生態復元画
図. アドクス・センゴクエンシスの生態復元画(画・おさとみ麻美)

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