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「不正許さず」と学術会議と大学が声明

2014.12.12

 日本学術会議と国立大学協会、公立大学協会、日本私立大学団体連合会は12月11日、「科学研究の健全性向上のための共同声明」を発表した。研究費の不正使用、データのねつ造や改ざん、盗用などの研究不正が多発している現状に危機感を示し、疑惑調査や倫理教育などの対策強化に向けて、学術界(アカデミア)挙げての決意表明となった。学術会議の大西隆会長(豊橋技術科学大学学長)ら各大学団体の代表が共同会見して公表した。

 共同声明は「日常的な研究活動における研究の健全性を飛躍的に強化するとともに、研究者の育成において研究者ひとりひとりの規範意識を高めるための対策を講じて、社会の研究に対する信頼性を回復し、さらにそれを高めていくことが急務である」と訴えている。研究不正の続発が続けば、日本の研究への信頼が低下しかねない。大西会長は「取り組みを発信することが国際的信頼を高めるという意味でも大事だ」と語った。共同声明の英語版も同時に出した。

 そのうえで3つの活動を宣言した。第一に、大学などの研究機関は研究不正を許さず、もし疑惑が生じた場合には、第三者の協力を得つつ、迅速、的確に対処することを明記した。その際、従来のように、調査に長年月かけて、責任をうやむやにすることのないように求めた。第二に、研究不正の予防措置として、大学などの研究機関は、研究倫理を含めて適切な学習プログラムの履修を義務付けるとした。第三に、大学などと学術会議が研究不正に対する厳正な対処、予防のための学習プログラムの開発と普及に向けて相互に協力し、科学研究に対する国内外の信頼を高めるために全力で取り組むことを約束した。

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