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論文引用数から影響力持つ科学者発表

2014.07.31

 国際的な学術情報サービス企業のトムソン・ロイターは7月30日、同社の論文動向や引用検索などのデータベースを基に独自に分析して、「世界で影響力を持つ科学者」のリポートを発表した。2002〜12年の11年間にデータベースに登録された論文のうち、21の分野ごとにトップ1%の被引用数を持つ論文を抽出し、さらに一定数以上の高被引用論文の著者リストを作成して「世界で影響力を持つ科学者」として約3000人を選んだ。

 このうち、日本の研究機関に属する研究者は約100人だった。過去トムソン・ロイター引用栄誉賞(ノーベル賞予測)に名前が挙がった北川進京都大学教授、細野秀雄東京工業大学教授、審良静男大阪大学教授、水島昇東京大学教授ら、各分野で世界的な研究者が数多く入っている。選出した研究者の間の順位付けはしていない。同社が2001年に公表したリポートの13年ぶりの更新版だが、選出方法がかなり異なり、単純な比較はできないという。今回選出された高被引用論文著者には、同社から正式な証書が授与される。

 一方、同社が毎年公表している「この1年間最も注目を集めたホットな研究者」には世界で17人が選ばれたが、日本人研究者は入らなかった。今回は、2012、13年に収録された論文で、13年に被引用率トップ0.1%の論文の著者が選出された。近年特に注目される論文を絞り込み、科学技術の最新の流行を示すのが狙いだ。

 また、世界的に著名な研究者でも、研究内容が融合的で、分野が複数にわたっていたり、論文が2001年以前だったりする場合などは、選出から漏れているケースが少なくない。同社は「いずれの選出も、あくまで今回の基準によるもので、名前が入っていないことが、研究者の評価を損ねるものではない」と断っている。

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