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建築家の坂茂さんにプリッカー賞

2014.03.27

 建築界のノーベル賞と言われるプリッカー賞の今年の受賞者に、建築家の坂茂(ばん しげる)さん(56)が選ばれた、同賞を運営する米ハイアット財団が3月24日発表した。

 同財団は授賞理由の中で「上品で革新的な設計を顧客に対してだけでなく、人道的な取り組みも広く行ってきた。この20年間、世界中の被災地を回り、低コストで再利用できるシェルターや住宅を被災者のために設計、建設した」と活動を評価した。

 坂さんは1957年、東京生まれ。高校卒業後、渡米し、建築を学んだ。95年の阪神大震災で構造材として紙の筒を使い、仮設住宅を提供した。2011年の東日本大震災では、避難所のプライバシーを守るため、簡単な間仕切りシステムを実現した。宮城県女川町にはコンテナを重ねて3階建て仮設住宅を設計した。東京とパリ、ニューヨークに設計事務所を持ち、世界的に活躍しながら、被災者ら社会的弱者の住宅問題にも関心を持ち、支援を続けている。11年からは京都造形芸術大学教授も兼ねる。

 坂さんは「建築家としての実績を評価されたというより、これからも続けていきなさいと勇気づけられる賞と受け止めています」と語った。日本人の同賞受賞は、1979年に賞が創設されて以来、昨年の伊東豊雄さんに続き7人目。授賞式はオランダのアムステルダム国立美術館で6月13日に開かれる。

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