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世界最古の生命の痕跡発見

2013.12.09

 東北大学の掛川武教授と大友陽子博士(現、海洋科学研究開発機構)、コペンハーゲン大学のミニック・ロージング博士らの研究チームは、世界最古とされるグリーンランド南西部の38億年前の岩石から、当時の海に生息していた微生物の痕跡を発見したことを発表した。岩石中の炭素を分析して確証したもので、最古の生命の痕跡だという。

 地球上のうち、グリーンランド南西部のイスア地域には、38億年前の世界最古の岩石が広く分布していることが、1990年代以降の研究で明らかになっている。研究チームは、イスア地域の北西部で、炭素(グラファイト)を多く含んだ岩石を新たに発見し、38億年前の海底に堆積した泥だと分かった。

 この岩石は、マグマ活動や造山運動による高温高圧の変成作用を受けているので、当時の生物の化石が残される可能性はないが、生物を構成していた炭素は残っている。採取した岩石を詳しく分析したところ、現世の生物と同じ炭素同位体組成(12C/13C 比)をもつこと、現世の生物にも特徴的な炭素のナノレベル組織や外形が見られることなどから、38億年前の海に生息していた微生物の断片だと結論づけた。

 地球は46億年前に、宇宙の多数の微小な惑星が衝突、合体するなどして誕生したとされる。地球上にいつ生命が誕生したのかは不明だが、今回の研究成果によって、38億年前に微生物が活動していたことが確定的となったという。研究論文“Evidence for biogenic graphite in early Archaean Isua metasedimentary rocks”は『ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)』(オンライン版)に掲載された。

グリーンランドのイスア地域 発見した岩石の顕微鏡写真
グリーンランドのイスア地域 発見した岩石の顕微鏡写真。
下側の黒色層が炭素(グラファイト)。
(提供:東北大学)

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