文部科学省は23日、宇宙開発やスーパーコンピューター開発などの国民への理解や普及を図るため、同省の子ども向けウェブサイト「プログラミン」で、漫画週刊誌で連載中の『宇宙兄弟』のイラストを使ってコンピューター・アニメやゲームを作ってもらう「プログラミン×宇宙兄弟コンテスト」の作品募集を始めた。
「プログラミン」は、子どもでも簡単にコンピューター・プログラミングが体験できるウェブサイトで、「京」などのスーパーコンピューターの開発について興味や関心を持ってもらうために、2010年8月に公開した。いろいろなイラストやキャラクターを選び、指定箇所に数値を入れるだけで思うような動きを表現できる。公開から3年間で500万ページビューを超えるアクセスがあり、同省の子ども向けウェブサイトでは最も人気の高いサイトだという。
「プログラミン×宇宙兄弟コンテスト」は、同省と講談社(東京都文京区)とがタイアップ広報企画を行うことで合意し、実現した。『宇宙兄弟』の主人公の南波六太(むった)・日々人(ひびと)兄弟や犬の「アポ」、宇宙船などの72種類のイラストを「プログラミン」内に用意し、これらを自由に使ってアニメやゲームを作ってもらう。
募集対象は、ストーリーや動きなどの演出にこだわった「アニメ」と、ゲームなどのプログラムの仕組みに挑んだ「プログラム」の2部門で、それぞれに「キッズの部」(小学生以下)と「一般の部」(中学生以上)がある。審査には『宇宙兄弟』の作者で漫画家の小山宙哉さん、宇宙飛行士の野口聡一さんなどが当たり、各部門各部のグランプリや特別賞として「宇宙兄弟賞」や「MEXT(文部科学省)賞」「JAXA(宇宙航空研究開発機構)賞」「理研AICS(計算科学研究機構)賞」を決める。
応募作品は「プログラミン」内に設けた専用のフォームから受け付ける。募集は来年1月15日まで。受賞作品は同2月中旬にウェブサイトで発表するほか、グランプリ受賞作品についてはテレビアニメ『宇宙兄弟』の中でも紹介するという。
下村博文・文部科学大臣も「このコンテストをきっかけに、私たちの社会を支えているコンピューター・プログラミングの大切さや楽しさが、多くの皆さんに伝わることを期待しています。そして、日本の将来を担う優秀で創造性に富んだ人材が育ってくれることを願っています。皆さん、ぜひ、挑戦してみてください!」と参加を呼びかけている。