名古屋文理大学や「蒲郡市生命(いのち)の海科学館」(愛知県蒲郡市)、名古屋大学地球水循環研究センターなどは、気象観測用気球に搭載した「アイフォン(iPhone)」を使って高度25キロメートルの成層圏から地球を動画撮影し、回収することに成功した。その映像を同館と、インターネットで公開している。
この企画は、気球打ち上げ・地球撮影プロジェクト「アノマロ宇宙へ行く! 〜宇宙から地球を見てみよう」として取り組んだ。気球は二重構造で、外側のヘリウムガス気球が上空に達して、気圧が下がって破裂すると、内側の気球がゆっくりと降りて、搭載したアイフォンを回収する仕組み。名古屋文理大学助教の佐原理さんらが、動画を3時間撮影できるアプリを開発した。なお「アノロマ」とは、同館のマスコット・キャラクター「アノロマちゃん」のこと。
気球は8月29日午前11時に 蒲郡市内の海浜公園から打ち上げられ、約42分後に高度1万メートルを突破し、約1時間50分後に静岡県・浜名湖上空で最高高度の2万5,000メートルに到達した。その後、外側の気球が破裂し、午後1時半ごろに浜松市の南方約20キロメートルの洋上に着水した。船での捜索で同日午後3時半ごろ、海洋上に浮かぶ気球や機材を回収したという。
公表された2時間余りの映像には、気球が回転しながら地上を離れて行く様子、渥美半島から御前崎などに至る海岸線や地上の様子などが映し出され、最高点では真っ黒な宇宙と青い地球とのカーブした境界などが捉えられている。
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