12月に地球に接近する「アイソン彗星」の観測のため、ハイビジョンの4倍の画素数をもつ宇宙用の超高感度4Kカメラが国際宇宙ステーションに持ち込まれ、若田光一宇宙飛行士が撮影する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が1日明らかにしたもので、4Kカメラは4日午前4時48分(予定)に種子島宇宙センターからH-IIBロケットで打ち上げられる補給機「こうのとり」4号機に搭載され、国際宇宙ステーションに届けられる。
アイソン彗星(C/2012 S1)は昨年9月に発見された彗星で、太陽とは今年11月28日ごろに120万キロメートルの距離まで大接近するため、吹き出した大量のチリとガスが光る“巨大な尾”が肉眼でも見られると期待されている。
超高感度4Kカメラの観測は、JAXAとNHKが共同で準備を進めているもので、今回は8倍を超える超高感度化や彗星撮影のために特別改造を行ったという。国際宇宙ステーションからはこれまでにも、2006年に世界初のハイビジョン生中継、2011年にはハイビジョン超高感度カメラによる流星やオーロラなどの撮影に成功している。
若田さんが撮影したアイソン彗星の映像は、12月の「NHKスペシャル」などの番組で紹介する予定だ。「アメリカ東海岸のきらびやかな夜景の上に輝く巨大彗星…といった、息をのむ映像の数々をお届けできるはず」という。