ニュース

サイエンス、今年の“10大成果”

2012.12.21

 米科学誌「サイエンス」は、今年の科学界における10大成果を発表した。最も顕著な成果「ブレークスルー・オブ・ザ・イヤー、2012」として、日本を含む欧州合同原子核研究所(CERN)の国際チームによる、物質の質量の起源となる「ヒッグス粒子」に関する発見を選んだ。

 2位以下(順位なし)の9件の中には、日本からはマウスの胚性幹細胞(ES細胞)から卵子を作り、通常の精子と体外受精させて子どもを誕生させた京都大学の斎藤通紀教授らの成果が入った。斎藤教授らは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から卵子を作ることにも成功しており、同誌は「倫理的な問題などからヒトの細胞では行われていないが、すでに不妊の原因究明に役立っている」と評価している。

 ほかに、シベリアのデニソワ洞窟で7-8万年前に生活していた古代人類「デニソワ人」のDNAを解析したドイツのマックス・プランク進化人類学研究所▽米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査車「キュリオシティ」▽米SLAC国立加速器研究所による、X(エックス)線レーザーを使ったタンパク質の構造解析▽ジョンズ・ホプキンズ大学応用物理学研究所が開発した、脳内に埋め込んだ電極信号によって(いわゆる“思う”だけで)ロボット・アーム(義肢)を操作するシステム——などが選ばれた。

 なお英科学誌「ネイチャー」も「今年の10人」のトップに、CERNのロルフ・ホイヤー所長を選んだ。

関連記事

ページトップへ