新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、災害現場や重大事故などの過酷環境下で、速やかな状況把握や復旧活動などに活躍が期待される、新開発の2種類の災害対応ロボットを公開した。
NEDOが昨年度から実施する「災害対応無人化システム研究開発プロジェクト」の一環として、千葉工業大学と筑波大学発ベンチャー「移動ロボット研究所」のグループが先行探査型移動ロボット「Sakura(櫻)」、同ベンチャー「CYBERDYNE」が「災害対策用ロボットスーツHALR」をそれぞれ開発した。
「Sakura(櫻)」は、福島第一原発の事故現場に対応した「Quince(クインス)」、「Rosemary(ローズマリー)」の後継機として開発され、同原発の原子炉建屋内の狭い通路や急傾斜の階段などに対応できるように小型化され、踏破性を高めた。
「災害対策用ロボットスーツHAL」は、福島第一原発などの災害現場では、作業員がさまざまな有害物質や高温多湿などの極限環境下で復旧に当たることから、作業員の安全確保を目的に開発された。タングステンなどの防護服によって作業員のガンマ線被ばくを約5割低減させるほか、防護服内への冷気送風による熱中症の予防、バイタルセンサによって心拍数や体温を常時モニタするなどの機能を備える。
2種類の災害対応ロボットは、今月17日から19日まで東京ビックサイト(東京都江東区有明)で開かれている日本初開催のロボットイベント「Japan Robot Week 2012」で一般公開されている。