新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、現在のデータセンターに比べ消費電力を30%節約可能な次世代型グリーンデータセンターを、つくば市の産業技術総合研究所内に造った。
急速に進むクラウドコンピューティングに加え、昨年3月の東日本大震災後に日本全体に課された消費電力量抑制という要請により、大容量のデータを処理する省エネ型データセンターの需要はますます高まっている。
次世代型グリーンデータセンターの特徴は、まずこれまでのビル型ではなくモジュールタイプであること。迅速な立ち上げと需要に応じた増強が簡単なため、震災などへの対応が容易なことに加え、小さな空間に設置した空調装置、電源装置、IT機器それぞれの効率が把握しやすくなっている。
またサーバー内に取り入れた空冷システムと、外気の環境条件に応じてサーバーに必要な温度・湿度・風量の空気を送ることを可能にした外気導入装置により、四季を通じエアコンを使わずサーバーを冷却できる。
さらに、交流−直流の変換装置を少なくし、IT機器の消費電力に応じて電源ユニットの運転台数を最適制御する技術を導入した。
NEDOは次世代型とともに、従来の設計方法によるモジュール型データセンターも造り、今後1年以上かけて両データセンターの運転実績から、30%の消費電力削減を検証する。
このプロジェクトには、産業技術総合研究所のほか日本電気、NTTファシリティーズ、三菱電機、長崎大学も加わっている。