いつもの満月よりも大きく、明るい“スーパームーン”が5日から6日にかけて世界各地で観測された。NASA(米航空宇宙局)などによるとこの現象は、地球を周回している月が地球に最接近したときにちょうど満月になったもので、大きさが通常よりも14%、明るさも30%増して見えた。大体14カ月おきに起きており、次回は来年6月23日に見られるという。
NASAによると、この現象の科学的用語は「地球に最接近した地点(近地点:ペリジ、perigee)の月」という意味の「perigee moon」だ。それがなぜ「スーパームーン」と特別な名前がついたのか定かではなく、NASAも「人々の注目や興味を引く効果はあるが・・・」と、科学的な説明に努めてきた。
月は地球の周りを、楕円軌道を描いて地球の周囲を回っている。地球から最も遠く離れた遠地点(アポジ、apogee)と最も近接した近地点(ペリジ)との差は5万キロメートルにもなるという。ところが、地球も太陽の周りを公転しているので、月の近地点は一定ではなく、周回ごとに異なってくる。
今月6日午前3時35分(世界標準時)の“近地点の満月”は、地球から35万6955キロメートルの距離だった。ところが昨年3月19日の“近地点の満月”は、今回よりも380キロメートルも地球に近かった。さらに米国の科学啓蒙機関「アーススカイ」は、今後の“近地点の満月”について計算している。2013年6月23日(35万6991キロメートル)、2014年8月10日(35万6896キロメートル)、2015年9月28日(35万6877キロメートル)、2016年11月14日(35万6509キロメートル)だ。
NASAなどは、ホームページやNASAテレビなどを通して、“スーパームーン”について子どもたちにも分かるように解説してきた。背景には、古くからのバンパイア伝説や、満月による人心や地殻変動(地震)、疫病などへの影響などがネット上で取り沙汰されていることもあるようだ。