地球温暖化に伴って、水深700メートルまでの海水温が、世界全体平均で10年あたり0.02℃のペースで上昇していることが、気象庁の解析で明らかとなった。海面水温についてはこれまでも解析しているが、海の深い部分まで対象としたのは初めて。今後も引き続き監視・解析していく。
気象庁や国内外の観測船などによる1950年から2011年までの、水深700メートルまでの海水温のデータを解析した。その結果、年ごとに上昇・下降を繰り返しつつも長期的に上昇傾向にあり、そのペースは10年あたり0.020±0.003℃の上昇率だった。特に90年代半ばから2000年代初めにかけての昇温が大きく、その後も水温の高い傾向は続いているという。
こうした現象は、地球温暖化の進行に伴って増加した地球全体の熱量の半分以上が海洋内部に蓄えられ、そのために水温が上昇していると考えられる。ちなみに海面での水温は10年間で約0.07℃の上昇率だ。
また地球温暖化に伴い、海面水位も上昇している。人工衛星の観測によると、1993年から2010年までに1年あたり2.95mmの割合で水位が上昇している。この上昇量の約1/3にあたる0.88mmが、水深700メートルまでの海水温の上昇に伴う熱膨張によるものと考えられている。