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名札ケースやポケットに入る小型軽量の放射線積算線量計を開発

2012.02.14

 産業技術総合研究所は、小型で軽く、名札ケースやポケットに入れて持ち運びができ、長期間連続使用が可能な放射線積算線量計を開発した。パソコンにデータを取り込んで、個人の毎日・毎時間の放射線被ばく量を知ることができ、放射線量の高い場所を避けることで、住民の安全性向上への貢献が期待できるという。

 開発した放射線積算線量計の本体部の大きさはSDメモリーカードよりも小さく、3ボルトのボタン電池1個で駆動する。放射線(ガンマ線)によって半導体に生じた微弱電流をもとに計測する「半導体方式」の線量計で、測定下限は0.1マイクロシーベルト。放射線を測定した期間の全被ばく量に加えて、いつの時間帯に被ばくが多かったかを知ることができる。

 同線量計には、線量率のレベルを監視する機能も付いており、ある一定以上の高い線量率を検出した場合にはLED(発光ダイオード)の光やブザー音で警告する。

 産総研は、直径20mm、直径24.5mmのボタン電池を使った3種類(重さ10-20グラム)の線量計を試作した。直径20mmのボタン電池なら約2ヵ月、直径24.5mmのものなら半年以上の連続使用が可能だ。部品の改善などで低コスト、量産化技術の確立を図り、できるだけ早期の実用化を目指したいという。

 開発の詳細は、2月15-17日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれる「nano tech 2012 第11回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」の産総研ブース特別展示で発表される。

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