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子どもの火遊び防ぐ使い捨てライター規制スタート

2011.09.27

 幼児の火遊びの危険を防ぐ使い捨てライターの安全規制が27日から始まった。子供が簡単に操作できない「幼児対策(チャイルドレジスタンス)」機能などの安全基準を満たすPSCマークを表示したライター以外は、販売することができなくなった。規制対象には使い捨てライターのほか多目的ライターも含まれる。

 消防庁によると、ライターは住宅火災による出火原因別死者数の5位を占める。火遊びによる火災のうち、発火原因がライターだったのは1999-2008年の10年間で17,160件に上り、火遊びによる火災のうちの53%を占めている。子どもがライターの火遊びによる火災で被害に遭うケースも多く、2004-08年に政令指定都市だけで12歳以下の死傷者は153人に上る。このうち5歳未満の死者は1人、5-12歳の死者が8人となっている。

 また、東京消防庁によると1999-2008年に東京消防庁管内だけで12歳以下の死傷者は215人に上り、このうち5歳未満3人、5-12歳4人の死者が出ている。火遊びによる火災のうちライターが原因だったのは511件で火遊びによる火災の72%を占めていた。

 ライターの安全規制は、消費生活用製品安全法施工例の改正により、昨年12月27日に使い捨てライターなどが同法の特定製品、特別特定製品に指定され、9カ月の経過措置がとられていた。

 火災に限らず事故による障害から子どもを守ろうという声は、被害者に接する機会が多い小児科医などを中心に大きい。日本学術会議臨床医学委員会 出生・発達分科会(委員長・五十嵐隆・東京大学大学院医学系研究科教授)は2008年8月、提言「『事故による子どもの傷害』の予防体制を構築するために」 を公表、その中で「子どもの傷害について包括的に対応できる『子ども安全対策課』を消費者庁など政府内に設置し、傷害予防のための調査、研究を企画する」、「学童・生徒や保護者に対し、国や企業は、傷害予防の重要性と具体的対策について積極的な広報活動を行い、子どもの安全を第一に考慮した製品や住環境を整備する活動を奨励する」、「子どもの傷害対策基本法」(仮称)の制定について検討会を設置する」などを提言している。

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