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半数以上の公立校天井など非構造部材の耐震対策なし

2011.08.25

 天井材、照明器具、窓ガラス、外・内装材など非構造部材について耐震対策を実施している公立の幼稚園、小中高校は5割に満たないことが、24日文部科学省が公表した「公立学校施設の耐震改修状況調査結果」で明らかになった。校舎など建物自体(構造体)の耐震化は幼稚園で70.9%、小中校で80.3%、高校で77.7%が実施済みとなっており、非構造部材に対する対策の遅れが目立つ。文部科学省は、昨年度まで非構造部材に対する調査自体を実施していなかった。

 調査結果によると、非構造部材の耐震対策を実施済みの公立幼稚園は全体の22.24%で、対策がとられていないか耐震点検もしていない園が全国でまだ3,401ある。同じく小中校の耐震対策実施済みは29.7%で、対策未実施か点検もしていないところが20,350校、高校は対策実施済みが31.5%で、2,381校が対策あるいは点検が未実施となっている。対策が比較的進んでいる特別支援学校でも対策実施率は41.5%に留まっており、528校がまだ対策未実施か点検も行っていない。

 東日本大震災では、建物自体に大きな損傷がないにもかかわらず天井材などが落下し、いまだに使用不能になっている体育館などが多数ある。

 文部科学省の「東日本大震災の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討委員会」は7月、学校施設の構造体に加えて非構造部材の耐震化、特に致命的な事故が起こりやすい体育館の天井材などの落下防止対策を進める必要がある、とする緊急提言をまとめている。

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