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マダガスカルで10年間に新種615発見 最少の霊長類など

2011.06.07

 世界最小のキツネザルなど615に上る新種の野生生物がマダガスカル島でこの10年に発見された、という報告書を6日、世界自然保護基金(WWF)が公表した。

 報告書『宝の島:マダガスカルの新たな生物多様性(Treasure Island: New biodiversity in Madagascar)』によると、このキツネザルは、2000年に発見されたマダムベルテネズミキツネザル。赤茶色の毛を持ち体重は30グラムしかない。最小のネズミキツネザルであるだけでなく、世界最小の霊長類でもある。

 このほか、いつもは樹皮の色に似ている体が、求愛時期には鮮やかな明るい青色に姿を変えるヤモリや、生涯に一度だけ花を咲かせ、実をつけた後には枯れてしまうヤシの一種「Tahina spectabilis」なども含まれている。

 WWFによると、貴重な生物の宝庫として知られるマダガスカル島は、2009年3月に起きたクーデターとその後の政治的混乱などにより、森林の90%が既に失われたという。さらに土壌浸食や干ばつも加わって、住民の生活自体が脅かされる事態となっている。そのほか野生動物の肉がレストランで出される実態もあり、新種の多くは、見つかったその時から既に絶滅の危機にさらされている、とWWFは警鐘を鳴らしている。

マダガスカルで見つかった世界最小の霊長類「マダムベルテネズミキツネザル」  (提供:WWFジャパン)
マダガスカルで見つかった世界最小の霊長類「マダムベルテネズミキツネザル」 (提供:WWFジャパン)
マダガスカルで見つかったヤシの新種  「Tahina spectabilis」  (提供:WWFジャパン)
マダガスカルで見つかったヤシの新種 「Tahina spectabilis」 (提供:WWFジャパン)

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