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外国資本の国内森林買収30件、574ヘクタール

2010.12.10

 外国資本が買収した国内森林は2006年1月から今年11月までの間に30件、574ヘクタールに上ることが林野庁と国土交通省の調査で明らかになった。

 買収された森林の所在地は神戸市の1件(購入者は米国法人、面積2ヘクタール)を除きすべて北海道で10市町村に上っている。買収された森林の数が最も多いのは倶知安町の11件164へクタール、続いてニセコ町の9件22ヘクタール、留寿都村2件20ヘクタール、残りの砂川市、清水町、蘭越町、黒松内町、標津町、赤井川村、幌加内町は1件ずつとなっている。1件の買収面積が一番広いのは砂川市の292ヘクタール。購入者は英領バージン諸島の法人で牧草地として使用されている。

 購入者を国・地域別で見ると最も購入件数が多いのは香港(すべて法人)で11件、続いて米国5件(法人1、個人4)、シンガポール4件(個人)、オーストラリア3件(法人2、個人1)、英領バージン諸島3件(法人)、台湾、インドネシア、ニュージーランド、スイス各1件(いずれも個人)となっている。利用目的は、資産保有・転売等が9件、続いて資産保有が4件、現況利用が3件など。

 農林水産省の森林・林業基本政策検討委員会(座長・岡田秀二・岩手大学農学部教授)は11月30日、報告書「森林・林業の再生に向けた改革の姿」を公表している。この中で「水源かん養」、「山地災害防止・土壌保全」、「希少野生動植物の生息・生育地保全」など森林の重要な機能を具体的に示し、一定規模以上の森林所有者や、森林所有者に代わる「特定受託者(仮称)」が独自に森林経営計画を作成することを認めるなど、国主導から地域主導の森林・林業再生策を提言している。

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