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昨年のCO2排出量前年の1.3%減にとどまる

2010.11.24

 昨年の化石燃料消費を原因とする二酸化炭素(CO2)排出量は期待値を下回り、前年に比べ世界全体で1.3%の減少にとどまったことを、22日グローバルカーボンプロジェクト(GCP)が発表した。

 GCPは2001年に発足した国際研究計画で、国立環境研究所とオーストラリア連邦科学産業研究機構に事務局が置かれている。GCPの発表によると、昨年は世界金融危機の経済的影響でCO2排出量も減ると予想されていたにもかかわらず、GCPの予測値である2.8%減を大幅に下回る結果となった。

 昨年のCO2排出量は308億トンで、2008年の排出量に次いで2番目に高い数値となっている。削減量が期待値を下回った理由についてGCP事務局は「中国のGDP(国内総生産)が前年比で9.1%の伸びとなったのをはじめ、新興国のGDPが引き続き増加した結果、CO2排出量も増えた」と言っている。

 国別で見ると前年比で日本11.8%、米国6.9%、英国8.6%、ドイツ7%、ロシア8.4%減と先進国が軒並みに排出量を減らしているのに対し、新興国では逆に中国が8%、インド6.2%、韓国1.4%増など排出量が大幅に伸びた。

 ソバカル・ダカール国立環境研究所GCPつくば国際オフィス事務局長は、「経済成長が予測どおり伸びると仮定すれば、化石燃料に由来する世界のCO2排出量は、2010年に3%以上増加すると予測され、2000-08年の伸び率に近づくことになる」と言っている。

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