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最先端研究基盤事業14件に564億円配分

2010.06.24

 文部科学省は22日、最先端研究基盤事業の補助対象事業として、京都大学の「心の先端研究のための連携拠点(WISH)構築」など14件を選定した。今年度予算額は280億円で、今後3年間で合計564億円を配分し、世界水準の研究拠点を整備する。

 今年度予算で最先端研究開発戦略的強化費補助金(400億円)が創設され、4月の総合科学技術会議でグリーン・イノベーションとライフ・イノベーションに関連する拠点の整備を重視する基本方針が決まっている。

 14件のうちグリーン・イノベーション関係が4件、ライフ・イノベーション関係が5件、両方に関連する基盤的なものが3件で、純粋な基礎科学研究では2件のみとなった。日本学術会議が3月に策定した43件の学術研究計画(マスタープラン)に含まれる計画も9件選定された。

 今回選定された計画は次の通り(事業名、実施機関、実施期間、補助金額(括弧内は事業総額)。

  • 海底下実環境ラボの整備による地球科学−生命科学融合拠点の強化(「ちきゅう」を活用)、海洋研究開発機構、2年、35億円(48億円)
  • 世界最先端研究用原子炉群の高度利用による国際的研究開発拠点の整備−原子力研究開発テクノパークの創成、日本原子力研究開発機構、3年、8億円(29億円)
  • コヒーレント光科学研究基盤の整備、東京大学、理化学研究所、3年、20億円(40億円)
  • 次世代パルス最強磁場発生装置の整備、東京大学、2年、8億円(15億円)
  • 生命動態システム科学研究の推進、大阪大学、理化学研究所、3年、27億円(37億円)
  • 新興・再興感染症の克服に向けた研究環境整備、北海道大学、東京大学、大阪大学、長崎大学、3年、16億円(21億円)
  • 心の先端研究のための連携拠点(WISH)構築、京都大学(心理学・認知科学等を実施する大学、研究機関と連携)、3年、5億円(14億円)
  • ゲノム機能医学研究環境整備、熊本大学、3年、1億円(6億円)
  • 化合物ライブラリーを活用した創薬等最先端研究・教育基盤の整備、創薬研究を行う大学(拠点の適切な選定方法を今後検討し、拠点の選定終了まで交付は保留)、1年、5億円(次年度以降は初年度の実績を踏まえ継続の可否を判断)
  • 大強度陽子加速器施設(J-PARC)を中心とした中性子科学の研究環境整備、日本原子力研究開発機構」3年、12億円(48億円)GI&LI
  • 低炭素社会実現に向けた植物研究の推進のための基盤整備、大規模拠点=奈良先端科学技術大学院大学、理化学研究所、地域拠点=東北大学、筑波大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、岡山大学、基礎生物学研究所、1年、27億円(27億円)
  • eサイエンス実現のためのシステム統合・連携ソフトウェアの高度利用促進、筑波大学、東京大学、京都大学、1年、30億円(次年度以降は初年度の実績を踏まえ継続の可否を判断)
  • 大型低温重力波望遠鏡の整備、東京大学、3年、22億円(98億円)
  • 素粒子分野における世界最先端の研究基盤の整備-KEKBの高度化による国際研究拠点の構築、高エネルギー加速器研究機構、3年、64億円(100億円)

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