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鉄道技術の海外売り込み目指し国際規格センター

2010.04.02

 鉄道分野での日本の優れたシステムと技術を規格の形で世界に発信していくことを目指し、財団法人鉄道総合技術研究所が1日、鉄道国際規格センターを発足させた。

 センターのメンバーは、鉄道総合技術研究所員7人に外部からの出向者10人から成る。これまでの国際電気標準会議・鉄道関係専門委員会に関する国内審議団体としての活動に加え、国際標準化機構(ISO)の鉄道技術に関する国際標準化活動も一元的に行う。

 日本の鉄道技術は日立製作所が昨年、英国に車両納入に成功したように十分な国際競争力を持つとみられている。しかし、鉄道システムをそっくり輸出することには後れを取っており、ようやくJR東海が今年1月、同社の新幹線システムと超電導リニアシステムを米国に売り込む計画を発表するなど海外展開に向けての動きが活発化しつつある。

 1日の日経新聞夕刊第2社会面記事「日本鉄道技術、世界に売り込め」によると、センター発足後、初の国際規格になりそうなのは、都営地下鉄大江戸線に使われている技術という。

 リニアモータを採用した都営大江戸線は、「床下が低い車両設計が可能となるため、トンネルが小さくて済み、建設コストが低減できる」「8%の急こう配路線を走行可能」「カーブが急でも小回り走行が可能」といった長所を持つ(2008年11月6日オピニオン・安藤 正博氏・日本地下鉄協会 首席調査役、技術士「成功の条件とは-リニアメトロ電車開発の教訓」参照)

 鉄道総合技術研究所は、国鉄の分割・民営化の前年に発足、1987年のJR各社の発足と同時に国鉄が行っていた研究開発を引き継いでいる。

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