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妊娠女性の全身数値データベース公開

2009.12.22

 妊婦と胎児の体の組織を忠実に再現した「妊娠女性全身数値データ」が、企業向けに有償で公開されることになった。

 このデータは、情報通信研究機構と千葉大学が共同で開発したもので、妊娠女性の体を約710万もの立方体に細分化し番号を振り、デジタル表示を可能にしている。元々、電波が人体にどのような影響を与えるかを調べる目的で開発が始まったが、本来の目的以外の医療機器開発や治療効果の評価、さらには交通事故時の障害の評価、衣料デザインなど幅広い分野での研究開発や商品開発に利用できると期待されている。

 情報通信研究機構は昨年7月から非営利目的の研究利用にのみデータベースを提供していたが、企業からの要望が高いことから、営利目的の利用に対しても提供することにした。

 データベースは妊娠26週の日本人妊婦の平均的体型を模しており、胎児や胎盤などの妊娠女性固有の組織を含む56種類の組織と臓器に電気定数を設定することで、電波が妊娠女性の体内にどのように吸収されるかを高い精度で推定できる。電気定数以外の人体特性値を設定することでさまざまな分野での利用が可能になるという。

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